【サイン本】その時鐘は鳴り響く
東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。怨恨による殺人と思われる中、赤羽署の刑事・黒光亜樹は唯一、現場に残された花びらの形にくり抜かれた血痕が気になっていた。一方、松山経済大学マンドリンクラブのOG・国見冴子は、卒業ぶりに仲間2人と母校の取り壊される部室棟を訪れていた。すると部室の黒板に、30年前に失踪した指揮者・高木圭一郎が残したと思しき「その時鐘は鳴り響く」という言葉を見つけて驚く。それは当時の夏合宿で事故死した、高木の相棒・篠塚瞳と共に、5人で頻繁に交わしていた言葉だった。瞳の死にショックを受け失踪した高木は、なぜ今になって部室を訪れ、この言葉を残したのか? 冴子たちは当時の事故について調べ始めるが……。日本推理作家協会賞受賞作家が新境地を切り開く、慟哭と郷愁のミステリ。