この世の真実が見えてくる

この世の真実が見えてくる
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まじめに、ふかく、そしてゆかいに、世の中を見つめ続けた井上ひさし。本書には、著書未収録の著作の中から「世の中」をテーマとするエッセイを選りすぐって収録します。幸福、国家、情報を論じ、青春の思い出を辿り、人間のおかしさを綴るーーさらに、江戸戯作者にならったパロディなど、井上ひさしならでは世界が広がります。
1 過去を見据えて未来へ
 幸福をウンヌンする前に
 未来を拓く現代のコペルニクスたちーーベイトソン、ヴォネガット、エンデ
 昭和三十年代、東京。あのころのデモがあんなにも烈しかった理由。
 愛国者と売国奴
 『昭和史発掘』、史家への出発

2 現代に生きる
 芝居の効用
 政治とはなにか
 どうかびっくりさせてくれ

3 青春の仙台
 私のなかの旧約聖書ーーわが友カイン
 差別されつつ差別する関係のなかで
 ボクシングとぼく
 円い地球の水平線に

4 やぶにらみ情報の研究
 悲劇と喜劇における情報の流れ
 ディジタルかアナログか
 跳び跳び性と連続性
 昭和のホームズ言行録

5 おかしな人たち
 ドーイ教授の言葉を発刊のはなむけに
 この世はすべてあの世になった
 となりの男

6 喜劇の日常
 わが日録ーー抜歯録
 週単位・三年単位・一生単位
 わたしの有縁 血縁
 夢に怯える
 喜劇作家の悲劇的日常

7 井上ひさしの編集する江戸読売り(かわらばん)
 思いつき新商売ーー安見退蔵半生記
 禍福転々--運命の波にもてあそばれたとある親子の物語
 二代目浦島
 大人も子どももためになる有名高慢男の末路
 夢の国探訪記
 童話 あまのじゃく物語

 あとがき……井上ユリ