読む行為

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生まれ育った森の奥の谷間を出た著者は、真の言葉と存在の根を奪われる。そして自らの死の想念に悩み、核に脅かされる人間全体を考える。この二重の危機をいかに乗り越えるか──活字の暗闇の向こうに手探る、個としての/われらの「狂気を生き延びる道」。現実世界での生き方と書物を読むこととを重ね、告白的に語った「自己史」。
 1
壊れものとしての人間ーー活字のむこうの暗闇ーー
 出発点、架空と現実
 言葉が拒絶する
 パンタグリュエリヨン草と悪夢
 核時代の暴君殺し
 作家にとって社会とはなにか?
 個人の死、世界の終り
 皇帝よ、あなたに想像力が欠けるならば、もはやいうことはありません

 2
アメリカ旅行者の夢
 地獄にゆくハックルベリィ・フィン
 アメリカの夢と悪夢
 コンピューターの道徳性
 パール・ハーバーにむかって
 不可視人間と多様性

 3
渡辺一夫架空聴講記
 出来得レバ憎悪セン
 la tache noire!
 ピラトに訊ねられて
 寛容のパラドックス
 麻にほかならない
 洗脳と脳捻転
 ......et vous abêtira.
 小さい魚の手がかり
 「心やましさ」と心やさしさ
 Fay ce que vouldras.
 さりし日の我等が悩みに、今さいなまるる者、いずこにありや?
 乱世・泰平の想像力

未来へ向けて回想するーー自己解釈(五)