書く行為

書く行為
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三十代の著者が二つの長篇『万延元年のフットボール』『洪水はわが魂に及び』執筆時に、作家という仕事について認識論・方法論的に分析した創作術。なぜ文学を選ぶのか、文体や視点、表現とは何か、書くことは現実に対していかに有効か。小説のkhaosにたちむかう作家の意識=肉体を、若い書き手にむけて臨床的に書き記す。
 1
出発点を確かめる
 作家自身にとって文学とはなにか?
 本当に文学が選ばれねばならないか?
 ハックルベリー・フィンとヒーローの問題
 作家は絶対に反政治的たりうるか?
 作家は文学によってなにをもたらしうるか?
 作家としてどのように書くか?

 2
文学ノート
 作家が小説を書こうとする
 言葉と文体、眼と観照
 表現の物質化と表現された人間の自立
 作家が異議申し立てを受ける
 書かれる言葉の創世記
 消すことによって書く

未来へ向けて回想するーー自己解釈(七)