青年へ

青年へ
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心が鬱屈し危機に陥ったとき、自分の核と共同体の核をどのように重ねてゆけばいいのか。子規や柳田国男、ロトマンに導かれながら、「**君へ」と読者に語りかけ、この世界のモデルと自分自身の人間としてのモデルを共にさぐる手紙の形式のエッセイ集。ガルシア=マルケスとの交友録やマリア・カラス論、武田泰淳らへの追悼文も収載。
 1
青 年 へ
 青年へーー中年ロビンソンの手紙
 青年と世界モデルーー熊をからかうフライデー
 子規はわれらの同時代人ーー変革期の生活者・表現者
 同時代論の試みーー作家自身によるモデル解読
 反論理の水先案内人ーー光州と「被爆者援護法」
 青年へのドストエフスキーーー祝祭的な表現の構造
 核シェルターの障害児ーー青年へ、憲法について

 2
「ほんとうの自由」
「人間」と滅亡を見つめて
発見された者として
その「戦後」のひとつ
ペシミズムの問題ーー中野重治と渡辺一夫
宇宙のへりの鷲ーー書かれなかった小説を批評する

 3
読書家ドン・キホーテ
『海上の道』解説
『思想の運命』解説
“知の世界の涯を旅する者”
悲劇の表現者
独裁者という鏡

 4
核時代の日本人とアイデンティティー(講演)
明日の被爆者

未来へ向けて回想するーー自己解釈(十)