無限の回廊(4)

無限の回廊(4)
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心霊案件を取り扱う事務所の所長である佐々木るみは、助手の青山と一緒に、不思議な現象を調査していた。人が苦手で無愛想なるみは、自分の過去を語りたがらない。彼女が持つ霊能力は、幼い頃、両親から虐待を受けているときに閉じ込められた押し入れの神殿で、友達となった「人魚姫」に教えてもらったものだった。幼いるみは、その力を使って両親を殺し、いじめっこの同級生を殺した。児童養護施設から引き取り、養子縁組をしてくれた百合子のおかげで、るみは人間らしいふるまいを覚えた。だが、恨みと暴力性を抱えた子どもは、まだ彼女の中にいるーー。今、喪服に身を包んだるみは、葬儀場で茫然としていた。現人神として存在していた最強の拝み屋・物部斎清は死に、この世にいない。その真実を受け入れがたかったのだ。物部がその身を挺して封じた怪異を思い返すーー。

第一章 目的論的証明
第二章 本体論的証明
第三章 道徳論的証明
第四章 宇宙論的証明
終 章 真理