先駆けの勘兵衛

先駆けの勘兵衛
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一番乗りは儂のもの、武功は誰にも渡さぬ!

渡辺勘兵衛は血路に迷っていた。
織田信長が弑された本能寺の変に巻き込まれ、明智光秀への味方を選んだ主君・阿閉貞征が山崎の合戦で敗れたのだ。
北近江の大名・浅井長政の重臣・阿閉家に仕え、精鋭の母衣衆のひとり、「鑓の勘兵衛」と呼ばれるほど武功を挙げてきた勘兵衛だったが、さすがにもういけなかった。
命からがら逃げ延びた落ち武者の勘兵衛は、しばらく世情を窺うべく、近江と美濃の国境にそびえる伊吹山に身を潜めることに。
だが、逃亡生活は長くは続かなかった。食い扶持を得なくては、妻も家臣も食わせていけないからだ。
勘兵衛は腹を固めざるをえなかった。
以前、引き抜きの声をかけてくれた、今は敵将の羽柴秀吉に頭を下げ、拾ってもらうしかないと。山を降り、どうにか秀吉との面会に漕ぎ着けた勘兵衛は、加藤虎之介や福島市松、加藤孫六にきつい洗礼を浴びながらも、羽柴秀勝のお付きを手に入れる。
ようやく食い扶持を得、さらに秀勝の武徳に惚れ込んだ勘兵衛は、名誉挽回とばかりに、秀吉と天下人を争う柴田勝家の軍勢を賤ケ岳で迎え撃つ。
戦国から江戸まで軽輩武士に絶大な人気を集め、一大勢力を誇った渡辺勘兵衛を描いた長編武将活劇!


【編集担当からのおすすめ情報】
2014年、「泰平に蠢く」(単行本刊行時に、『決戦! 熊本 肥後加藤家改易始末』と改題)で、第6回朝日時代小説大賞優秀作を受賞した気鋭の作家が描く、戦国活劇です!