船出… -旅立ちまでの看病記ー

船出… -旅立ちまでの看病記ー
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愛と絆を紡ぎながら、壮絶な介護の日々を乗り越えた家族の奮闘記

私の悲痛な叫びを唯一受け止めてくれたのが「水曜日のヘルパーさん」だった。
普段は穏やかな、優しい笑顔のヘルパーさんが、作業用のエプロンを身に着けながら私の目を見て言った。
「いいですか! お父さんが悪いんではありません! お父さんが悪いんではありません!
 病気が悪いんですよ! 分かりますか! いいですか! 私が頑張りますから、私が頑張りますから! 一緒に頑張りましょう!」
そう言いながら私の両手を握ってくれた。
あの、ヘルパーさんがいたからこそ、あの言葉があったからこそ、ここまで辿り着けたのではないか。(本文より)

【目次】

まえがき
序 章
第1章 新た年を迎へ
第2章 大寒波に具へ
第3章 小雪残る街へ
第4章 春遠き千住へ
第5章 椿咲く自宅へ
終 章
あとがき