すべては『少年ケニヤ』からはじまった
…信条というか、拘りを持ってきたのは、口幅ったい言い方をお許しいただければ、どうやら、誠実さ、公平感、社会正義ということなのかもしれない。人が興味を抱くところ、関心を持つ点というのは、年代に関係なく意外と変わらないものだと改めて感じる。いずれにしろ、人の思想や生きざまに読書が深く関わっていることは間違いない。一介のサラリーマンの拙い読書遍歴に過ぎないことは確かであるが、「読書と人生」の一つのケースヒストリーとしてとらえることにより、人生の方向性を決定づける要素としての読書の効用に関して認識を新たにする一つのきっかけになればと思い、冊子として取りまとめることにした次第である。(まえがきより)