小説 イタリア軒物語
明治の日本が開港した5港のひとつ新潟。堀と柳との風情があるその町は、長岡藩の外港だった時代にも、幕末に天領となってからも大幅な町人自治が認められ、自由と自立の風が吹く港町だった。明治7年新潟にやってきたイタリア人コックのミオラは、街と暮らす人々に魅せられ時の県令の支援を受け西洋料理店を創業する。振袖のお千と恋に落ち愛宕神社で挙式、そこはパリ・コミューンに先立つこと100年、住民自治の先頭に立ち処刑された義人を祀ってきた神社だった。ミオラは牛肉の仕入れの為に和牛の島佐渡へ、そして文明開化の先端を走る東京や横浜へと旅し料理店の準備に奔走する。イタリア軒と命名されたそのレストランは、横浜でスカウトした料理人や元サムライらを雇い入れスタッフを充実させていく。街中を流れる堀のほとりに新築されたイタリア軒では、料理のベースとなるソースの開発や、独自メニューの工夫がなされ、その価値を市民が認めていく。
プロローグ
第1章 曲馬団来港
第2章 堀と柳の街
第3章 怪我と恋
第4章 開港都市
第5章 天下一の県令
第6章 挙式
第7章 イタリア軒誕生
第8章 新潟の鹿鳴館
第9章 世界で一番よいところ
エピローグ
プロローグ
第1章 曲馬団来港
第2章 堀と柳の街
第3章 怪我と恋
第4章 開港都市
第5章 天下一の県令
第6章 挙式
第7章 イタリア軒誕生
第8章 新潟の鹿鳴館
第9章 世界で一番よいところ
エピローグ