フォルモサの涙 獅頭社戦役
1874年、日本軍が台湾に出兵した(牡丹社事件)。清朝政府は台湾防衛のため軍隊を派遣するが、彼らは日本軍ではなく、原住民と闘うことになったーー。「開山撫番」政策下で起こった最初の原住民と漢族の戦争「獅頭社戦役」を描く歴史小説。原題『獅頭花』(INK、2017年)。本書は『フォルモサに咲く花』(原題『傀儡花』)に続く「開山撫番」三部作(あるいは「花シリーズ三部作」)の第二部にあたる。
本書のテーマのひとつは、牡丹社事件による清朝政府の危機感から生まれた「開山撫番」に誘発されたこの最初の原漢(原住民と漢民族)戦争、獅頭社戦役が、近代台湾の歴史を大きく変えたことを描く点にあり、本書によってはじめて取り上げられた。その意義は極めて大きく、こうしてはじまった「開山撫番(剿番)」は、その後清末から、さらに日清戦争後新しく統治者となった日本の「理蕃政策」に引き継がれていったのである。(「【解説】沈葆テイの「開山撫番」と最初の原漢戦争ー獅頭社戦役ー」より)
日本の読者の皆さまへ、『フォルモサの涙 獅頭社戦役』作者のことばー「開山撫番」から「和解共生」へー
本書を読むために
楔子
第一部 日本軍 刀を牡丹に揮い、風港を望む
第二部 大亀文 世と争いなく、かえって擾に見(まみ)える
第三部 清国兵 雄師〔精兵〕、海を渡り、倭軍を拒む
第四部 莿桐脚 争議の是非、総じて評し難し
第五部 沈幼青〔沈葆テイ〕 開山撫番、変音を惜しむ
第六部 王玉山〔王開俊〕 民を護るといえど、かえって仁を傷(やぶ)る
第七部 アラパイ 英雄、姫と別れ、内文を護る
第八部 上瑯嶠 原漢、今日仇恩〔恩讐〕泯(つ)きる
第九部 獅頭花 三千里の外で、かえって君に逢う
第十部 胡鉄花 涙を鳳山の昭忠祠にそそぐ
注
附録
淮軍と大亀文からの呼びかけと探究ーー私が『獅頭花』を書いた心の歴程
神霊任務の一 「鳳山武洛塘山淮軍昭忠祠」の探訪と再現
神霊任務の二 枋寮「白軍営」のほかにも淮軍の墓地がある?
「台湾の淮軍」の歴史と遺跡を尋ねて
台湾淮軍史(一八七四ー一八七五)
【解説】 沈葆テイの「開山撫番」と最初の原漢戦争ー獅頭社戦役ー(下村作次郎)
本書のテーマのひとつは、牡丹社事件による清朝政府の危機感から生まれた「開山撫番」に誘発されたこの最初の原漢(原住民と漢民族)戦争、獅頭社戦役が、近代台湾の歴史を大きく変えたことを描く点にあり、本書によってはじめて取り上げられた。その意義は極めて大きく、こうしてはじまった「開山撫番(剿番)」は、その後清末から、さらに日清戦争後新しく統治者となった日本の「理蕃政策」に引き継がれていったのである。(「【解説】沈葆テイの「開山撫番」と最初の原漢戦争ー獅頭社戦役ー」より)
日本の読者の皆さまへ、『フォルモサの涙 獅頭社戦役』作者のことばー「開山撫番」から「和解共生」へー
本書を読むために
楔子
第一部 日本軍 刀を牡丹に揮い、風港を望む
第二部 大亀文 世と争いなく、かえって擾に見(まみ)える
第三部 清国兵 雄師〔精兵〕、海を渡り、倭軍を拒む
第四部 莿桐脚 争議の是非、総じて評し難し
第五部 沈幼青〔沈葆テイ〕 開山撫番、変音を惜しむ
第六部 王玉山〔王開俊〕 民を護るといえど、かえって仁を傷(やぶ)る
第七部 アラパイ 英雄、姫と別れ、内文を護る
第八部 上瑯嶠 原漢、今日仇恩〔恩讐〕泯(つ)きる
第九部 獅頭花 三千里の外で、かえって君に逢う
第十部 胡鉄花 涙を鳳山の昭忠祠にそそぐ
注
附録
淮軍と大亀文からの呼びかけと探究ーー私が『獅頭花』を書いた心の歴程
神霊任務の一 「鳳山武洛塘山淮軍昭忠祠」の探訪と再現
神霊任務の二 枋寮「白軍営」のほかにも淮軍の墓地がある?
「台湾の淮軍」の歴史と遺跡を尋ねて
台湾淮軍史(一八七四ー一八七五)
【解説】 沈葆テイの「開山撫番」と最初の原漢戦争ー獅頭社戦役ー(下村作次郎)