百首でよむ「源氏物語」(1045;1045)

百首でよむ「源氏物語」(1045;1045)
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今から約1000年前に執筆された『源氏物語』。その作者である紫式部は歌人でもあった。『源氏物語』には795首の和歌が含まれており、それらは登場人物のパーソナリティーをうまくとらえている。本書はそのなかから100首の和歌を厳選し、現代語訳、意図などをわかりやすく解説。『源氏物語』の原文や現代語訳を読むときに手元に置いておきたい1冊。

本書で紹介されている主な和歌
限りとてわかるる道のかなしきにいかまほしきは命なりけり  桐壺更衣
帚木の心を知らで園原の道にあやなくまどひぬるかな   光源氏
空?の羽におく露の木がくれて忍び忍びに濡るる袖かな  空?
心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる夕顔の花  夕顔
寄りてこそそれかとも見めたそかれにほのぼの見つる花の夕顔  光源氏
過ぎにしもけふ別るるも二道に行くかた知らぬ秋の暮かな  光源氏
手に摘みていつしかも見む紫の根に通ひける野辺の若草  光源氏
ねは見ねどあはれとぞ思ふ武蔵野の露分けわぶる草のゆかりを  光源氏
かこつべきゆへを知らねばおぼつかないかなる草のゆかりなるらん 紫の上
もの思ふにたち舞ふべくもあらぬ身の袖うちふりし心知りきや 光源氏
から人の袖ふることはとほけれど立ちゐにつけてあはれとは見き 藤壺
おほかたに花のすがたを見ましかば露も心のおかれましやは 藤壺
深き夜のあはれを知るも入る月のおぼろけならぬ契りとぞ思ふ 光源氏
うき身世にやがて消えなばたづねても草の原をば問はじとや思ふ 朧月夜
など