新妻を演じる夜

リジーのもとに、ある日一通の手紙が届いた。
彼女が所有するアパートメントに問題が発生し、
現地まで来てほしい、さもないと裁判沙汰にするという。
差出人は大富豪イリオス・マノス。
リジーはなんとか旅費を工面し、彼の住むギリシアへ飛んだ。
金色の瞳と漆黒の髪を持つギリシア神話の英雄さながらの彼はしかし、
「詐欺師め!」とリジーをなじったのだ。
リジーは共同所有者にだまされ、莫大な借金を背負わされたと知る。
だがお金などまったくないと言う彼女に、イリオスは憤然と言った。
「では、その体で払ってもらおう。ぼくと結婚するんだ」

“ロマンスの女王”として不動の人気を誇り、2011年に惜しまれつつその短すぎる生涯を閉じた作家、P・ジョーダン。孤児として育ったヒロインは、真実の愛を見つけられるのでしょうか?