氷の罠と知らずに天使を宿し

「君は自分の美しさに気づいていない。
僕が本当のことを教えてあげよう」

秘書のグレースは高級車がはねた泥水を浴び、尻餅をついた。
ああ、ボスが恋人に贈る高級下着が台なしに……。
途方に暮れる彼女に手を差しのべたのは、
くだんの高級車から降りてきた絶世の美男マクシムだった。
王家の血を引く彼は詫びとして、汚した品を弁償したうえ、
彼女にも高価なドレスを買い、パーティへ誘ってくれた。
シンデレラ気分を味わったグレースは何も知らなかったーー
彼がボスを陥れようと、意図的に彼女を待ち伏せていたことを。
そして、その一夜の結果、彼の子を宿してしまうことを!