小さな奇跡は公爵のために

「どきどきしているかい?」
「ええ。私、このために今日まで生きてきたんだわ」

「赤ちゃんができたんですよ、ママさん。おめでとう、パパさん」
妊娠3カ月って……私は子供を授かれない体のはずなのに?
湖畔に立つ公爵の古城に滞在するアンドレアは、体調を崩して
野に倒れていたところを、彼女を財産狙いの女と思い込む
青い瞳の美しき次期公爵ランスに発見されて病院に運ばれた。
そこで医師に妊娠を告げられて驚いただけでなく、
ランスが子供の父親と間違われ、アンドレアは気まずかった。
奇跡的に授かったのだ、3カ月前に亡くなった夫の忘れ形見を。
するとなんと、ランスが告げた。「その子の父親になりたい」