架空の楽園

この美貌の男性がわたしの夫……。
そんな記憶はないのだけれど。

ギリシア大富豪アレクシスに秘書として雇われたシエナは、
美貌のボスのそばで働くことができて天にも昇る心地だった。
やがて彼に誘われた週末旅行で、シエナは身も心も捧げたーー
アレクシスが、シエナの兄にもてあそばれた妹のため、
今度は自分が彼女の純潔を奪うつもりだった、と言うまでは。
だが失意のシエナが故郷の村に戻ると、再びアレクシスが現れた。
彼から逃れようと家から飛び出したそのとき、
シエナは走ってきた車にはねられ、すべての記憶を失った……!
目を覚ますと病院で、美貌の男性が告げた。「ぼくはきみの夫だ」