コテージに咲いたばら

ハンカチを貸してくれた彼を想い、
涙の乙女は眠りについた。

親を亡くしたカトリーナは田舎暮らしの伯母に引き取られた。
女学校を卒業後は学費が払えず進学を諦め、家事を手伝う毎日。
そんなある日、最愛の伯母が不治の病におかされ、
ハンサムな専門医のグレンヴィル教授に診てもらうことに。
先日カトリーナが交通事故に遭ったときも彼に助けられたが、
“恵まれぬ者への施し”と感じて反発心を覚えていた。
やがて伯母が亡くなり、遺されたのは自宅のコテージだけで
現金がほとんどないと知ったカトリーナは路頭に迷いかける。
やむなく農場で日雇い労働を始めた彼女を、教授が見かけて……。