君主と隠された小公子

私と赤ちゃんは日陰の存在でもいい。
あなたが我が子と認めてくれれば。

ヴィクトリアがサンドロというすてきな男性と一夜をともにしたのは
横暴な夫との死別後、新しい一歩を踏み出したかったからだった。
前の結婚では子供ができなかったのに、妊娠するとは思わなかった。
サンドロに知らせようとした彼女は仰天した。彼は王族だったのだ!
宮殿からの返答は非情なものだったーー
“経済的な援助はするが、今後いっさい会おうとするな”
赤ん坊と生活していくため、ヴィクトリアは条件をのむしかなかった。
だが1年9カ月後、突然サンドロが彼女の家を訪ねてきた。
「僕は妊娠も出産も知らなかった」そして母と子を国に連れ去った。

華々しい日本デビューを飾った大型新人作家の第3作をお届けします。ヒーローから「国に連れてきたのは君と子供を守るため」と言われたヒロイン。現実的な解決策として結婚を提案されますが、承諾できません。それは愛のない結婚に傷ついた過去があるから。