蝶の館

身代わりの花嫁をさらったのは、
成りすましの花婿だった。

ニコラのもとに、頬を涙で濡らした友人が駆け込んできた。
彼女には結婚を約束した恋人がいるのに、彼女の後見人である
富豪ルイースから、無理やり花嫁になるよう迫られているという。
なんて傲慢な人なの? 酷すぎるわ!
ニコラは友人を救うため一計を案じた。迎えに来たルイースの車に
友人の身代わりとして乗りこみ、隙を見て逃げ出そうというのだ。
ところが花嫁を迎えに来たのは、彼のいとこのラモンだった。
ハンサムで優しいラモンに、ニコラの胸は高鳴るが、
じつは彼こそがルイースで、花嫁が偽者と気づいた彼は怒り、
ニコラに強引に結婚を承諾させると、彼の“蝶の館”へ連れ去った。

ハーレクイン・ロマンス黎明期の、クラシックな香りが漂うロマンスをお贈りします。サラ・クレイヴンの多彩な魅力が詰まった、ミステリアスな群像劇は読み応えも十分です! タイトルにもなっている、ヒーローの屋敷である“蝶の館”の由来も明らかに……。