最後の船旅

彼と過ごした最後の日々は、
太陽よりもまぶしかったーー

まだ20歳のウェンディは治療の難しい病のため余命4カ月と宣告された。
相談できる身寄りもいない彼女は、20年前に自分を取り上げてくれた
医師のすすめで、豪華客船に乗って世界を旅することにーー
亡き母が遺してくれた家と家財を売り払って。
その船上で、ローマ時代の彫刻のような品格を漂わせる
長身でハンサムなガースと出逢い、心を通わせるようになる。
寄港した各地を彼と一緒に回り、幸せな思い出をたくさん作った。
けれど、彼に惹かれれば惹かれるほど、ウェンディは切なくなるのだった。
どれだけ恋い焦がれようと、ガースとは決して結ばれない。
私に残された時間は、あとわずかしかないのだから……。

1976年に上梓された、大作家アン・ハンプソンの伝説の名作が《ロマンス・タイムマシン》に登場! 余命わずかであることは伏せたまま、ウェンディは最期の時を迎える直前まで命を輝かせます。運命の人ガースとの恋は、彼女に奇跡をもたらすのでしょうか?