愛と憎しみのギリシア

両親の葬儀が終わっても、レイチェルは墓地にたたずんでいた。
義父は欲深い妻、レイチェルの母のせいで破滅したも同然だった。
そのとき、セバスチャンの姿が目に飛び込んできた。
親族の中で唯一やさしかった彼に片想いしていたレイチェルは、
久しぶりに戻ってきたギリシアで、彼との再会に胸を震わせた。
セバスチャンの冷たい目と厳しい言葉に愕然とするが、
同時に彼はレイチェルへの熱い想いも口にしたのだ。
彼と結ばれたあと、純潔を疑われるとは夢にも思わなかった。
レイチェルは傷心の中、彼のもとを去り、妊娠に気づくーー。