愛のいけにえ

身代わりでもいいーーそばにいたいの。

美しく狡猾な姉に虐げられ続け、幸福すらテッサは奪われた。
焦がれていたギリシア人富豪ポールと、姉は婚約したばかりか、
テッサの恋心を「気味が悪い」と嘲笑ったのだ。
骨の髄まで恥辱を味わわされたテッサは、耐えきれずに家を出た。
2年後ーー帰郷したテッサはあまりに残酷な現実を知らされる。
ポールが火傷を負い失明したというのだ。しかも姉は彼を捨てた。
身代わりでいい。そばにいられるなら。一途な想いを貫くため、
テッサはいまも姉を待つポールが住む、キプロス島へと向かった。
姉のふりをして。そして……彼の妻になった。