十二カ月の恋人
カサンドラの運命は、ホアキンの手中にあった。彼はスペインきっての実業家であり、プレイボーイだ。これまで数々の女性と情事を重ねてきたが、共通しているのは、出会って1年が経つと必ず恋人に別れを告げ、何事もなかったかのように去っていくこと。今週の金曜日、カサンドラはホアキンと出会って1年になる。私も過去の恋人たちのように、見向きもされなくなるの?カサンドラの不安は日ごとに増していった。だが、彼女を待ち受けていたのは、想像していたよりはるかに過酷で皮肉な運命だった。■先月HQロマンスより刊行されたK・ウォーカーの『幼すぎた愛』はお楽しみいただけましたか? 傑作古典をもとに新たなロマンスを描く好評企画の第4弾で、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』をモチーフに、領主館で繰り広げられる愛憎劇が描かれています。