愛の岐路

真実の愛は、寝室の扉ではなく、
心の扉を開かないと確かめられない……。

ターニャが大富豪のレイフと結婚して、もうすぐ2年が経つ。
燃えさかる情熱で結ばれたはずなのに、ターニャの不満は募る一方だった。
レイフが妻に求めているのは、ベッドで果たす役割だけ。
心を開いて語り合ったことは一度もない。
もっと彼のことをわかりたいし、わたしのこともわかってほしいのに。
それに、レイフはまだ早いと言って子どももほしがらないし、
彼の秘書が彼に横恋慕しているようなのが不安なので、
そのことを話し合おうとしても取り合ってくれないのだ。
ターニャがあの手この手で気を引こうとすればするほど、
彼がますます心を閉ざすことに絶望し、家出を決行すると……。

レイフへの想いは少しも変わらないけれど、彼にとって自分はただの所有物でしかなく、このまま人形のように生きるのが嫌で行動を起こしたターニャ。愛し愛されて結婚したはずなのに、いつしか岐路に立たされていた夫婦の愛の復活を描いた名作をお届けします。