暗闇の後で
誰にも話せない「暗闇」が、私の運命を翻弄した
731部隊と繋がる防疫研究室で石井四郎の部下として働いた医師、茨木智和。
最高機密の下で目の当たりにした数々の事実により、彼は愛する人を失い、人生は流転を始める。
たどり着いた地・オーストラリアで開戦を境に“敵”となった彼は、強制収容所での日々を通じ、どう「暗闇」と向き合ったのか──
日豪にルーツを持つ作家が描く、戦時下のエリート医師の苦悩と決意
(あらすじ)東京帝国大学医学部出身の俊英・茨木智和は、陸軍軍医学校に開設された新たな研究部門の門を叩く。そこは、忠誠心と思慮分別が何より求められる科学発展の最前線だった。防疫研究室での機密下での仕事は、次第に彼の精神を蝕み、その苦悩を知る由もない妻との関係は、崩壊に向かって進んでいく。すべてを失った茨木がたどり着いたのは、西豪州ブルームの「真珠ダイバー」たちのためにつくられた日本人病院の医師の椅子だった。誰にも明かせない「暗闇」を抱えたまま、なんとか現実と折り合いをつけて生きる茨木の元に届いた真珠湾攻撃の報せは、彼を敵性外国人として収容所に送り込む。そこで直面した様々な人間模様は、茨木の現在、過去、そして未来を変えていった──
第一章 南豪州ーー一九四二年 ラブデー収容所
第二章 東京ーー一九三四年 医学への道
第三章 ラブデー収容所ーー一九四二年 松風
第四章 ブルームーー一九三八年 日本人病院
第五章 東京ーー一九三四年 防疫研究室
第六章 ラブデー収容所ーー一九四二年 活動写真
第七章 ブルームーー一九三八年 灯籠流し
第八章 ラブデー収容所ーー一九四二年 ジョニーの頼み事
第九章 東京ーー一九三五年 節分
第十章 ブルームーー一九三九年 天長節
第十一章 ラブデー収容所ーー一九四二年 万華鏡
第十二章 ブルームーー一九四〇年 木の栞
第十三章 ラブデー収容所ーー一九四二年 スタンの手紙
第十四章 東京ーー一九三六年 神楽坂
第十五章 ブルームーー一九四一年 小さな光の真珠
第十六章 ラブデー収容所ーー一九四二年 デイビス二等兵
第十七章 シティ・オブ・カンタベリー号と鎌倉丸ーー一九四二年 遺灰の返還
第十八章 東京ーー一九四二年 空襲
第十九章 東京ーー一九八九年 ベルニス修道女の手紙
731部隊と繋がる防疫研究室で石井四郎の部下として働いた医師、茨木智和。
最高機密の下で目の当たりにした数々の事実により、彼は愛する人を失い、人生は流転を始める。
たどり着いた地・オーストラリアで開戦を境に“敵”となった彼は、強制収容所での日々を通じ、どう「暗闇」と向き合ったのか──
日豪にルーツを持つ作家が描く、戦時下のエリート医師の苦悩と決意
(あらすじ)東京帝国大学医学部出身の俊英・茨木智和は、陸軍軍医学校に開設された新たな研究部門の門を叩く。そこは、忠誠心と思慮分別が何より求められる科学発展の最前線だった。防疫研究室での機密下での仕事は、次第に彼の精神を蝕み、その苦悩を知る由もない妻との関係は、崩壊に向かって進んでいく。すべてを失った茨木がたどり着いたのは、西豪州ブルームの「真珠ダイバー」たちのためにつくられた日本人病院の医師の椅子だった。誰にも明かせない「暗闇」を抱えたまま、なんとか現実と折り合いをつけて生きる茨木の元に届いた真珠湾攻撃の報せは、彼を敵性外国人として収容所に送り込む。そこで直面した様々な人間模様は、茨木の現在、過去、そして未来を変えていった──
第一章 南豪州ーー一九四二年 ラブデー収容所
第二章 東京ーー一九三四年 医学への道
第三章 ラブデー収容所ーー一九四二年 松風
第四章 ブルームーー一九三八年 日本人病院
第五章 東京ーー一九三四年 防疫研究室
第六章 ラブデー収容所ーー一九四二年 活動写真
第七章 ブルームーー一九三八年 灯籠流し
第八章 ラブデー収容所ーー一九四二年 ジョニーの頼み事
第九章 東京ーー一九三五年 節分
第十章 ブルームーー一九三九年 天長節
第十一章 ラブデー収容所ーー一九四二年 万華鏡
第十二章 ブルームーー一九四〇年 木の栞
第十三章 ラブデー収容所ーー一九四二年 スタンの手紙
第十四章 東京ーー一九三六年 神楽坂
第十五章 ブルームーー一九四一年 小さな光の真珠
第十六章 ラブデー収容所ーー一九四二年 デイビス二等兵
第十七章 シティ・オブ・カンタベリー号と鎌倉丸ーー一九四二年 遺灰の返還
第十八章 東京ーー一九四二年 空襲
第十九章 東京ーー一九八九年 ベルニス修道女の手紙