はじまれ、ふたたび

はじまれ、ふたたび
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20世紀最後の年から2011年東日本大震災までの10年あまりの間、私は遠い旅を重ねました。そこにはつねに歌があり、語られることのない無数の記憶がありました。
ーー本書より

カザフスタンから韓国・済州島へ。サハリンからイリオモテへ。歴史の波に翻弄され、地上をさすらう民ーー朝鮮からの離散民や沖縄移民、炭鉱夫、ハンセン病者、北方の少数民族。著者は世界各地を旅し、人びとが生きのびるために伝える「いのち」の歌や物語を記録してきた。旅先で出会ったのは、歌や物語の中で語られる記憶、そして語られることのない「声にならない声」だったーー。
「聞こえない声、見えない光、この世を去った魂たちが棲まう、心の奥の「空白」の風景」を訪ねる、11編の詩情あふれるエッセイ集。東日本震災の体験も含め、記憶だけでなく「記憶の空白」を見つめ、人間の生と死、再生への道を問う。
本書は、2011年に刊行した『はじまれ』の増補新版。あらたに、震災後10年をテーマにした書き下ろしの作品を収録して再リリース。
増補新版まえがきーーあなたに贈るはじまりの歌 

i はじまれ 
 英雄ナージャ 
 旅するパンドラ 
 彷徨いの絆 
 長夜の夢は獨覚 
 熊本、コリア、洗足池、キラウエア 
 取り返しのつかない話 
 私は行くよ 
 夢ーー縛めと赦し 
 真っ白な愛 
 生きる 
 はじまれ 

ii はじまれ、ふたたび 
 不穏な神の声で