オプチナ修道院とロシア文学

オプチナ修道院とロシア文学
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ゴーゴリ、キレエフスキー、レオンチェフ、トルストイ、ドストエフスキー──オプチナの霊の子たちと呼ばれるかれらは、いずれも長老の指南によって自身の創作上の理念を獲得、もしくは獲得しようとして、「信仰する理性」という、言わば「神化」を獲得するに至る。ロシア正教会の修道制の中でも特異な位置を占めている長老制の歴史的・宗教的意義を、その最大の中心地であったオプチナ修道院との関係において考察しつつ、それがロシア文学・思想にもたらした影響について考察していく。
 はじめに
 序章 概括的展望 オプチナ修道院とロシア知識人
第一部
 第一章 ロシア正教と禁欲主義の伝統
     ──ロシアにおけるフィロカリアの受容について──
 第二章 イイススの祈りと「知恵のいとなみ」
     ──ビザンツとロシアの祈りのコスモロジー──
 第三章 近代ロシアの修道制と長老制の発展について
     ──オプチナ修道院前史より──
第二部
 第四章 キレエフスキーの正教思想とオプチナ修道院
     ──妻ナターリアやマカーリイ長老との霊の交流の記録から──
 第五章 ゴーゴリの宗教的世界観
     ──聖地巡礼からオプチナ修道院へ──
 第六章 レオンチェフの思想遍歴とオプチナ修道院
 第七章 レフ・トルストイとロシア正教会
 第八章 ドストエフスキーとオプチナ修道院
第三部
 第九章 オプチナ修道院における聖師父文献の出版事業(一)
     ──パイーシイ・ヴェリチコフスキーからキレエフスキーにいたる聖師父文献の翻訳史をめぐって──
 第十章 オプチナ修道院における聖師父文献の出版事業(二)
     ──ロシア修道制の発展における祈りの定義とキレエフスキーの思想形成への影響をめぐって──
 おわりに
 文献一覧
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