【POD】【大活字本】柳田国男「故郷七十年(上)」(響林社の大活字本シリーズ)

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民俗学者として著名な柳田國男の82歳のときの回顧談。神戸新聞社60周年に際して、柳田に25回にわたって聞き書きがおこなわれ連載記事となったもの。少年期の体験談、作家や評論家との交友録など、数々の登場人物とそのエピソードが語られている。
以下、「起筆の言葉」より。
「神戸新聞は今年満六十年を迎えるという話である。人間でいえば還暦というわけであろう。ところが初めて私が生れ故郷の播州を出て関東に移ったのは、それより十年以上も古い昔のことであった。それから私の心身がだんだん育って行くにつれ、私の眼が全国的に拡がり、世界中のことにも関心を引かれるようになったことに不思議はない。しかしそれでも幼い日の私と、その私をめぐる周囲の動きとは八十余歳の今もなおまざまざと記憶に留って消えることはない。いつかそのころに筆を起し私自身の足跡とその背景を記憶するならば、或いは同時代の人たちにも、またもっと若い世代の人たちにも、何か為になるのではないかというのが、かねてから私の宿志であった。
幸いに時が熟したので、神戸新聞の要請をいれ、ここに『故郷七十年』を連載することにした。それは単なる郷愁や回顧の物語に終るものでないことをお約束しておきたい」

【上巻目次】
起筆の言葉
母の思い出にーー序にかえて
故郷を離れたころ
私の生家
布川時代
辻川の話
兄弟のこと
文学の思い出