『源氏物語』創成と記憶

『源氏物語』創成と記憶
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未来へつなぐ。

物語誕生の時代から江戸時代後期、そして現代にいたるまで、『源氏物語』は何を創造し、どのように伝播して、人々に共有される記憶となり、そこから何が新たに創造されたのか。
『源氏物語』という作品そのものの特質・存在を捉え返す。
 はじめに

1 物語の創造
六条御息所から六条院へー源氏物語の時間と空間ー◉高田祐彦
父としての光源氏ー明石の姫君の教育をめぐってー◉鈴木裕子
『源氏物語』の和歌があらわにする傲り
  -その眼差しと逸脱が意味するものー◉田渕句美子
『源氏物語』から平安後期物語にわたる笑い
  -『御津の浜松』の例からー◉陣野英則

2 伝播と再創造
『源氏物語絵巻』制作をめぐってー王家・女院・源氏ー◉松薗斉
仏法の文芸と『源氏物語』
  -法会・源氏供養・一つ蓮の言説をめぐってー◉海野圭介
『源氏物語』の遺響と創造ー新古今時代を中心にー◉渡邉裕美子
「大島本源氏物語」研究の現在◉佐々木孝浩

3 空間・階層・ジェンダー
古河公方周辺の源氏物語愛好ー源氏物語文字鋂を中心にー◉小川剛生
近世後期宮廷と『源氏物語』-光格天皇の時代を中心にー◉盛田帝子
御伽草子の世界における『源氏物語』◉齋藤真麻理
女子用往来物と絵入源氏物語
  -近世出版文化にみる教養の浸透と均質化ー◉加藤弓枝

 あとがき
 執筆者紹介