石を巡り、石を考える

石を巡り、石を考える
  • レーベル

  • 出版社石風社
  • ISBN9784883443239
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石に問われ、石に答える思索の旅

ヨーロッパ、南米を経て
日本へ回帰した
ひとりの思索者が
石や岩をめぐる物語に
インスパイアされ
その対話を刻む

 それにしても、サン=テグジュペリがインカの石壁をひとつの思想として読み取ったのに対し、アルゲーダスがそこにインカの民の悲しみを聴きとるというちがい。サン=テグジュペリにとっては労苦を意味していた石が、アルゲーダスにとっては「煮えたつ血」だったのである。インカ文明は消え去ったが、その末裔であるケチュアの民は生きている、そして叫んでいる。そういうことだった。
 アルゲーダスの受けとめ方は内的というより、動的で身体的と言った方がよい。石壁が生きているという確信によって、過去と現在が一つになっているのである。ものの声よりも、労働と宗教に関する観念の声を聞いたサン=テグジュペリと、まさに対照的である。
(本文「アルゲーダスの石読み」より) 
プロローグ 

1 石を巡る

クスコの石
1 ペルー 
2 ヴァルガス=リョーサ 
3 インカの石 
4 アルゲーダスの石読み 

ガリシアの石
1 サンティアゴ 
2 ヴィゴ 
3 ロサリア・デ・カストロ 
4 新石器遺跡  
 
ケルトの石
1 癒しの国 
2 スコットランド 
3 ケネス・ホワイト 
4 石工の末裔 

対馬の石
1 岩の島 
2 ありねよし 
3 石舞台 
4 石積み 

2 石を考える

小石先生の石
1 小石先生 
2 百科全書派? 
3 寅彦の石 
4 科学か意匠か? 

地質学の石
1 菅沼悠介 
2 丸山茂徳 
3 宮沢賢治 
4 地質学的知性 
5 レヴィ=ストロース 

石に戻る
1 石を懐かしむ 
2 自然哲学 
3 ハクスリー 
4 ファラデイ 
5 自然哲学の終焉
6 オッペンハイマー
7 模倣 

エピローグ 

あとがき 
参考文献一覧