世間と人間 [復刻版]
初代最高裁判所長官・三淵忠彦は定年を前にした昭和25(1950)年2月、随筆集の『世間と人間』(朝日新聞社刊)を書き上げた。長官の肩書きから思い浮かぶ堅いイメージとは裏腹に、これがなかなか面白い。食べ物、動物、自然、裁判など内容も多岐に及ぶ。福島県・会津にルーツを持ち、戊辰戦争から敗者としての辛苦を味わい、第二次世界大戦敗戦後に民主裁判の礎を築いた忠彦が、人としてどうあるべきか、何を大切にするべきかをつづったエッセーは、むしろ現代にこそ、そしてこれからも読み継がれてほしい内容である。あらためて、忠彦の生き方に触れ、当時の様子を垣間見たり、何かを感じたりすることには意味があるのではないか。そのように考え、この随筆集を復刻することにした。日本国憲法施行から76年、憲法記念日に。(『世間と人間 [復刻版]』「はじめに」より)
【はじめに】 若林高子・本橋由紀
【世間と人間】
鰐を飼う/兎にだまされた鰐の話/身欠き鯡と故郷の味/ぞうに・かずのこ・そばがきなど/勝負事/飼犬の事/能私語/花/荘内中学の想い出/佐藤元萇と白楽天/規律を守る心/コールド・レーキ師とそのお母さん/藤沢典獄を憶う/鏡 /「日の丸の旗」のよろこび/鹿を犬にした話/偉大な職業、高貴な職務/思齊寮の思齊と云う名について/刑殺日施/強盗の母の歎き/富谷ソウ太郎さんの言葉/和/世間と人間/川路彌吉の名言/新しき教育家に贈る/春陽の温、時雨の潤/改革を阻止するもの/ろくを裁く/正直エーブ/昔の裁判と今の裁判/高山樗牛の言葉/官反内貨来/庭を掃く/一人の生命/道義/読書雑談/夏と読書/『刑事訴訟法通論』序/池田 潔『自由と規律』/穂積重遠『私たちの民法』/『黄金の花』序/長谷川如是閑著作集へ寄せる言葉/談片 一/談片 二/談片 三/挨拶/開廷の辞/裁判所職員諸君へ/日本ハーバード・クラブに於けるスピーチ/新庁舎の落成にあたって/愛知大学に寄せる挨拶/後記
【三淵忠彦という人】 本橋由紀
【付録】
衣、食、住のこと 三淵忠彦 寄稿『美しい暮しの手帖』/三淵忠彦をしのぶ(「法曹」129号)/萱野家のこと 本橋由紀/残された手紙から 若林高子/小田原・板橋と三淵忠彦邸 椎原晶子/小田原・板橋 三淵邸平面図/三淵忠彦 年譜/参考文献
【あとがき】 本橋由紀
【はじめに】 若林高子・本橋由紀
【世間と人間】
鰐を飼う/兎にだまされた鰐の話/身欠き鯡と故郷の味/ぞうに・かずのこ・そばがきなど/勝負事/飼犬の事/能私語/花/荘内中学の想い出/佐藤元萇と白楽天/規律を守る心/コールド・レーキ師とそのお母さん/藤沢典獄を憶う/鏡 /「日の丸の旗」のよろこび/鹿を犬にした話/偉大な職業、高貴な職務/思齊寮の思齊と云う名について/刑殺日施/強盗の母の歎き/富谷ソウ太郎さんの言葉/和/世間と人間/川路彌吉の名言/新しき教育家に贈る/春陽の温、時雨の潤/改革を阻止するもの/ろくを裁く/正直エーブ/昔の裁判と今の裁判/高山樗牛の言葉/官反内貨来/庭を掃く/一人の生命/道義/読書雑談/夏と読書/『刑事訴訟法通論』序/池田 潔『自由と規律』/穂積重遠『私たちの民法』/『黄金の花』序/長谷川如是閑著作集へ寄せる言葉/談片 一/談片 二/談片 三/挨拶/開廷の辞/裁判所職員諸君へ/日本ハーバード・クラブに於けるスピーチ/新庁舎の落成にあたって/愛知大学に寄せる挨拶/後記
【三淵忠彦という人】 本橋由紀
【付録】
衣、食、住のこと 三淵忠彦 寄稿『美しい暮しの手帖』/三淵忠彦をしのぶ(「法曹」129号)/萱野家のこと 本橋由紀/残された手紙から 若林高子/小田原・板橋と三淵忠彦邸 椎原晶子/小田原・板橋 三淵邸平面図/三淵忠彦 年譜/参考文献
【あとがき】 本橋由紀